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Introduction by Daisuke Takeya
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| りさキャンペーン・イン・トロント 「Big in Japan 現在形日本のポップ・アートのスタ−6人展」の さとう りさ、「りさキャンペーン」を率いてイートン・センターに出現。(仮称) JCCC内、現代美術館でのBig in Japan展に際し、参加作家の一人、作品を通して節操なく他人に接触したいという「りさキャンペーン」を続けるさとう・りさ(29)が、作品制作プロジェクト、そしてジャパン・ファンデーションでの講演のため4月末日、トロントを訪れた。筆者は、アシスタント兼通訳として彼女の滞在中、約一週間行動をともにした。トロントで行われた彼女の2つのプロジェクトを通して、彼女の作品の魅力を見て行くことにしよう。(文:武谷 大介) 1 SATOGO SHIGAN サトゴシガン(里子志願)と呼ばれるこのプロジェクトは、りさ・キャンペーン vol.8(通称りさ・キャン8号)という、一見ぬいぐるみ的な、頭の付いた立体アート3輪車作品を各家庭に貸し出すというものである。里親になった人は、ビデオカメラを渡され、いわゆる「ホームビデオ」を撮る事を義務づけられるが、作家からの要求はそれだけで、あとは何をしようと自由。翌日、作家自ら、りさ・キャン8号とビデオカメラを引取りにやって来る。美術館という「公共の場」から、一般の家庭内という「プライベートの場」に、いわゆる「里子に志願」として貸し出された作品は、回を重ねるごとに、手あかや傷が増え、元々白かったものが、時代を経た中世ルネッサンスの絵画のごとく味わい深くなり、成長して「本当の親元」である美術館に戻ってくる。 現代美術館ですでに作品をご覧になっている方は、サトゴシガン・プロジェクトを終え、少し汚くなって戻ってきた、りさ・キャン8号の違いがおわかりになるだろうか。大事に梱包され、日本からやってきた美術館に展示されている「遠い存在」の美術品としての作品が、一般家庭で「身近な存在」として子供だけでなく大人にまで玩具にされている様は、滑稽なようであって、実は、アートの本来ある姿を示しているかのようでもある。作品は、トロントでも里親(一般家庭)の生活の一部となり、それを取り上げられると、泣き出してしまう子供さえいた。短期滞在にも関わらず、彼女は、このプロジェクト14件もトロントでこなしていった。 2 ミ RISA CAMPAIGN #10 IN LOVE WITH MR. NOBODY 2つ目は、去る4月24日に行われた、りさ・キャンペーン#10 (通称りさ・キャン10号)によるパフォーマンス。今回は、トロント在住のアーティスト、ターニャ・リードさんの作品Mr.Nobodyとのコラボレーションであった。クリーム色の頭とピンクの胴体を持つ女の子らしいりさ・キャン10号に対し、Mr.Nobodyは、女性作家の作品であり、かわいらしいながら、石膏製の白黒に絵の具で塗られた「Mr.=男性」作品である。 巨大な頭を持つ縫いぐるみ型可動式立体作品を身にまとった作家自身が、Mr.Nobodyをのせたリヤカーを引いてクイーン・ストリートからチャイナタウン、Art Gallery of Ontario (AGO)、そしてイートンセンターまで約3時間、町中を練り歩いた。パフォーマンスといっても、突拍子のない事をするわけでもなく、ただ、目抜き通りにて、Mr. Nobodyと共に約10分間、小学生のボーイフレンドとガールフレンドの様に時に立ちすくむだけである。AGO, イートンセンターでは、建物内でのパフォーマンスの途中で、警備員に止められるというハプニングもあったが、作品の周囲に群がった大勢の群衆は、時に触れてみたり、話しかけたりして、ただならぬ興味を示していた。一般の人々は、それが、アートなのか、何なのか知る必要もなく、ただ、魅力的なものとして近づいて来たのである。現代アートに必要な要素とは、単純にそれだけなのかもしれない。 元々銀座などで自腹をはたいて場所を借りて個展をしていた彼女。せっかく展覧会をしても、作品と来場者とのコミュニケーションが、冷めてしまっていて、これではいけないと自ら街に作品とともにくりだすようになった。それが、りさキャンペーンの始まりである。りさキャンペーンというタイトルには「自分を売り込む」という意味だけでなく「アートを広める」という彼女の熱い使命が感じられる。日本国内、そして海外でも高い評価を受けている彼女の作品は、ここトロントでも、例外なく、大勢の人間を巻き込んでしまっている。 (たけやだいすけ:アーティスト、現代美術館ボードメンバー) さて、Big in Japan展は、1980年代後半、デイリー読売新聞等で美術評論家として東京に長期滞在していたキャサリ−ン・オズボ−ン女史(トロントの美術雑誌Lolaの現編集長)の企画による、20代〜30代のバブル経済後に頭角をあらわした日本のポップアートのスター6人の展覧会である。日本の消費文化をユーモラスに、時に風刺の目をもって表現した作品群は、子供から大人まで、アートにあまり興味のない人でも自然に楽しめるものばかりである。ほかに, 松蔭浩之のスター、小沢剛のあいあい画廊など, なんでもありモードのアートを存分に楽しんでいただきたい。 今回紹介した、さとう りさのアートグッズが、現代美術館内にて販売されている。 お値段は、15ドル−35ドルとなかなかお買い得である。彼女のホームページも充実しており、要チェックである。 www.studio.co.jp/risacan/ Big in Japan展は、JCCC内、現代美術館にて、6月1日まで開催されている。(水―土、12pm―5pm、入場無料) |
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